2010年10月6日水曜日

冬の掛軸

椿(ツバキ)②
江戸初期庶民の間では、屋敷にツバキを植えるのは不吉なこととされていました。それには、人の首が落ちるように花が散るからだといわれていて、かならずしも確かなこととはいえません。
「神聖なツバキの木」は、神の社だけではなくて、寺や墓にもみられることで、屋敷に植えるのが忌まれたからなのでしょう。また、病人の見舞いにツバキの花を持って行くことも忌まれました。土地によっては、ツバキの木は化けて出るとも伝えられるそうで「化物寺(ばけものでら)」の昔話では、ツバキの床柱が化物となって現れたとも語られていました。
そういうなかで、ツバキのつぼみが上に向いてつくと、大雪あるいは小雪のしるしともいい、秋や寒中に咲くと、豊作のしるしなどというように、多くの俗信とも結び付けられています。また、腫れ物などを治すのにツバキの葉をあぶって貼ったり、火傷などを治すのにツバキの油を塗ったりするというように、さまざまな民間療法にも用いられています。
椿にはたくさんの力があります・・・。
                                                                        椿

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